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Roshi Pedals GRUFF resultのサウンドレビュー

ファズで注目を集めるRoshi PedalsさんのGRUFF resultを購入しました。トライアングルの蛇の目基板時代の個体を再現しているようです。モード切替による使いやすさを加えている点がポイントとなりますが、スイッチをオリジナルに準拠したモードとしたままでも、トーンの効きやTSでプッシュした際のコントロール性が良く、使いやすいモデルに仕上がっています。

Big Muff Piの歴史をおさらいする

 一般的に、ビッグマフと名前が付けられたモデルは、70年頃から「トライアングル」あるいはV1と呼ばれるモデルの製造がはじまり、73年頃に「ラムズヘッド」あるいはV2と呼ばれるモデルに刷新されたとされています。

 回路定数は変遷がある(そもそも個体差がでかい)ようですが、V1はジャリっとバリバリしたファズっぽさがあるとされ、ラムズヘッドはもう少しミッドが出て中高音から低音にかけて押し出すようなディストーションサウンドになったと私は認識しています。

 77年頃に、今回レビューする外観に変更されます。これがV3とか3rdと呼ばれるものです。ただし、外観は変わっても中身はラムズヘッドのままという期間がありました。そしてその後、オペアンプを使った回路に変更されて「オペアンプマフ」となります。中身がラムズヘッドの時は、筐体上部のスイッチはON-OFFスイッチで、オペアンプマフになるとトーンコントロールをカットするスイッチに変更されます。オペアンプマフの再現系やリイシューの音を聴く限り、ラムズヘッドに近いバランスでありながら、歪みの質が硬く、ゴリゴリとしてすっきりした感じで、トライアングルのジャリジャリ感は無いという印象です。

Roshi Pedals GRUFF resultがベースとするのは蛇の目基板を用いた初期トライアングル

 V1やトライアングルと呼ばれる時代も、より細かく分類すると、最初期に「組み立てキット」と併売されていた時期のモデルがあります。この時代の特徴は、特有の蛇の目基板を使用している点です。そして、この頃の個体を再現したのが、Roshi PedalsさんのGRUFF Resultです。

Roshi Pedals GRUFF result レビュー

 先にも書いた通り、ビッグマフ系といっても様々で、形容しがたいのも事実です(苦笑)

 GRUFF resultは、SUSTAIN、FUZZを12時位置にした状態で、ジャリジャリとした高音域が立ちつつ、太く、丸く、輪郭があいまいな低音域、少ない中音域というバランスです。

 特徴的なのが高音域の毛羽立ちで、鉄板か何かが爆音によって共振しているような、バリバリとかバチバチといった音が混じります。これが他では無い点であり、蛇の目基板特有のファズっぽさに繋がっていると思います。低音の量は多めであり、多いことよりもメリハリが弱く、ボヤっとした丸い低音域が特徴的です。高音域がバリバリとして鋭い点がかなり対照的であるため、それとコントラストが強いものとなっています。

 SUSTAINを上げると一気に飽和感が強くなって音の壁感が強くなってきます。FUZZの操作は繊細で、右に回すと急激に鋭くなり、左に回すと急激に丸く、低音の押し出しが強くなります。個人的には、FUZZを1時ぐらいにするのが好みです。

 TS系などを前段に置くと、強い低音が落ち着き、高音域の暴れが少しだけ整理されて、ファズっぽいブースターでハイゲインアンプをプッシュしたような粗さがありつつも使いやすいディストーションサウンドとなります。

 右上にはスイッチがあり、3モードの切り替えが可能です。ここまでは左のトライアングルモード。真ん中にすると、ローがカットされたサウンドで、「TSでプッシュした時のようなローのすっきり感が欲しいけど音が変わりすぎる!!」という人にぴったりなすっきりとしつつファズっぽさが強いサウンドとなります。右のモードにすると低音をカットしつつ高音域強まります。ある意味でトライアングルらしさを強調したようなサウンドで、かなり鋭いです。いずれも、TS系などでプッシュすると低音が少なくなりすぎるので注意が必要です。

 どのモードであっても、上手く調整してやるとローリングストーンズのサティスファクションのあのリフのような、バリバリっとファズらしいサウンドが出てきて、トーンベンダーほど気難しくなく、マフほど塗りつぶすようなサウンドではない良い塩梅だと感じました。

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