トーンコンデンサの代わりに取り付けて、音色を積極的に変化させるデバイスのOvaltone「Nue Devie」。今回は、ストラトSSHスタイルのギターのリアハム用にSignature SCを取り付けて、本当に音が変わるのか?や、変わった様子、変わり具合についてレビューします。実際に取り付けてみると、想像以上に音が変わります。SCの場合は、プレーン弦の金属的な鳴りが立ってきて、巻弦のギャリっとした成分も持ち上がってきました。以下では、交換していった過程と共にサウンドのレビューをまとめています。
交換した履歴
SSHスタイルのギターのリアハム用として選びました。私の行動が二転三転するので最初にお伝えしておくと…
第1段階:デフォルトは安いセラミックコンデンサ+純正ハム
第2段階:Nue Device Signature SC+純正ハム
第3段階:Nue Device Signature SC+Suhr Aldrich
第4段階:Vitamin Q+Suhr Aldrich
となりました。なぜそうなったかは後で述べるとして、いずれの段階も変化によって音が大きく変わったと感じました。その感じ方の具合(効果の大きさ)にも触れてゆきたいと思います。
第1段階でどう感じたか?
Nue DeviceもPUも交換する前、純正のハムバッカーの中低音域が強くてどうにも抜けが悪く、パワーも低めのため歪んでこない感じがしました。低音もルーズで締りが無い。パワーを上げることも考えましたが、高音域が立ってくれば歪み感も増すのではないか?と考えるようになりました。
第2段階 Nue Device Signature SC取り付けで音が大きく変わった!
このあたりでNue Deviceのことを知りました。いや、正確には前々から知っていたのですが、取り付けてみようと考えるようになった、という方が正確ですね。コンデンサで音が変わるのか?という気持ちと、どういう仕組みで音作りをしているのだろう?という実験の意味合いも強かったです。
ちょうどこの頃、Signatureシリーズが発売になり、シングルコイル用のSCも発売となりました。公式による比較動画を見ると、SCは煌びやかな音となり、鋭さが出ている模様。というわけで試してみることにしました。公式が「ピックアップ交換をする前に試して!」と謳っていることも気になりました。
その効果は…音が大きく変わりました。びっくりするぐらい。第1段階ではプレーン弦がクリーンサウンドではポンポンポンって感じでしたが、パンパンパンとはじける感じや金属的な響きが出るようになりました。低音のルーズさも少し収まり、巻弦のジャリっと感も出るようになりました。
この変化の具合は、弦の銘柄を変える、例えば、エリクサーのPOLYWEB(コートが厚いやつ)からダダリオのEXL110(一番普通の10-46)に交換した程度の違いです。すなわち、各音域のバランスはそのままに、ディティールの出方が変わるイメージです。
第3段階でピックアップを交換した
Nue Deviceの効果でキレは少し出たものの、中音域が強く、パワーもそこまで強くないことで歪み切らず、ハイゲインな歪み系でも「ムームー」鳴るだけという挙動に業を煮やし、えいやーと超ハイパワーなSuhr Aldrichに交換しました。一気にパワフルになり、今までの悩みはなんだったのだ?となりました。Aldrichのレビューになってしまうので、ここではこの程度で。
第4段階でNue Deviceを外すことにした
いろいろと音作りをしていると、巻弦やプレーン弦のギャリギャリとして鋭い感じが目立つように思えてきました。そこまで鋭くなくても良いのだよなと。第2段階でNue Device Signature SCによって、金属的な鳴りが前に出てきたので、一度外してみようと一般的なVitamin Qに交換してみました。
すると、全般的にマイルドになりました。言い方を変えると、良くも悪くも平凡な感じ。ちょっと音色が暗くなったようにも思います。
Ovaltone Nue Device Signature SCの総評
ここまで述べたように、明らかにNue Deviceを取り付けたことでサウンドに変化が出ています。よく、コンデンサ交換について「交換しようと色々手間をかけたことで、前の音が分からなくなってプラシーボで…」と言われることがありますが、Nue Deviceに関しては『明らかに変わっただろ』というぐらい変わります。
その変化具合について、途中で『エリクサーのPOLYWEB(コートが厚いやつ)からダダリオのEXL110(一番普通の10-46)に交換した程度の違い』と例えました。これを『変わらないじゃん』と思うか『変わるねぇ』と思うかは個人差だと思います。少なくとも、Nue Deviceは『変わるねぇ』と思う人向けの商品です。
私個人としては、弦の銘柄やゲージを変えるだけで結構変わると思っているし、それによって音を微調整したいと思っているタイプです。それぐらいの変化を重視し、どこに着地させるかを探っている人にとってはNue Deviceは重要な選択肢だと思います。やっぱり、弦は揃えておいた方が、しかも手に入りやすい銘柄の方が楽ですからね。頻繁に交換しないコンデンサ部分で音の調整ができるのは大きいです。
今回は最終的に外すことになりましたが、取り外したNue Deviceは取ってあります。名誉のために書いておきますと、製品自体は良い物でありましたが、取り付けたギターやPUとのマッチングが良くなかった。取って置いてあるものはSSHスタイルのネック・ミドル用に取り付けようかとか、P90搭載ギターに取り付けようかと画策しています。現時点でSSHのリアハムはVitamin Qにしていますが、これについて、別のNue Deviceを再選定しても良いのでは?と考えています。
Nue Deviceの面白いところは、各商品に対してサウンドの傾向が明示されており、公式によるサウンドテストでそれが示されていることですね。先に書いたような「落としどころを探る」のには絶好だと考えています。自分ではんだ付けできる人、サウンドを作り込みたい人は、ぜひ試してみてください。
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