先日、レビューしたEMMAの「ReezaFRATzitz 2」に引き続き、今回もEMMAの「PisdiYAUwot」です。読み方は分かりません。PisdiYAUwotはメタル専用のディストーションとして開発されています。回路構成はReezaFRATzitz 2を引き継ぎながら、より鋭く、よりキレ良く、より音抜けよく、よりEQが効くように変更されています。そして、読み方は分かりません。
EMMA「ReezaFRATzitz 2」と「PisdiYAUwot」
「ReezaFRATzitz 2」については先日レビューしました。
こちらは、ミッドが前に出てきたマーシャルっぽい、甘さと鋭さが同居した歪みの質感のディストーションで、最高にハードロックな感じのペダルでした。
一方、今回の「PisdiYAUwot」はメタル用ペダルです。歪みの質感は、ギャリっと金属質なところがあり、レクチファイア系と例えている方もいらっしゃいました。その歪みの質感に、周波数特性としては比較的フラットなバランスから、ドンシャリになりやすいバランスとなっています。ここに、良く効く3バンドEQが組み合わされ、音作りをしてゆくこととなります。ゲインは、クランチ程度から超ハイゲインまで設定幅が広くなっています。
このように、「PisdiYAUwot」は「ReezaFRATzitz 2」とは明確にキャラ分けされて設計されているわけです。読み方は分かりませんが。
メタル専用というけど、かなり懐の深い「PisdiYAUwot」
3バンドEQは相互に影響を与え合うため、調整にはコツが必要なものの、耳に刺さると感じればTREBLEを下げるとか、スムースさが欲しいと思えばBASS、MIDを上げるとか、直感的に少しずつ動かしてゆけば落としどころが見つかると思われます。
どのようなセッティングをしても音抜けが良く、鋭い歪みがキレ良く飛び出してきます。本当に気持ちが良い。高音がよく出るアンプだときつくなりすぎるかも…。注意してください。また、かなり低いところまで厚みを持って出ている低音が迫力があります。かなり低い音域なのでモコモコではなく圧力のように感じます。
ローゲイン設定では、軽やかなクランチサウンドとなって、これはこれでポップスとかに使いやすいサウンドです。ボリュームへの追従性も良く、結構モダンといいますか、近年高評価なペダルの特徴を備えていると思います。EQを極端に振れば、「ReezaFRATzitz 2」っぽいミッドが前に出たサウンドも作れます。そして、前段のブースターへの反応も良好です。
ピックアップとの相性は、シングル、ハム共に良好ですが、かなり鋭いサウンドのペダルなので、シングルコイルだと鋭くなりすぎる感じもあるので注意が必要です。そもそも、シングルコイルでメタルすることはないだろうと思います。シングルコイルの場合はローゲインで、ちょっとトレブルを抑えると軽やかなディストーションとなって、低音域の厚みも付与されて良い感じです。ハムバッカーは、ゲインをグッと上げてミッドスクープでもミッドプッシュでもお好みでぶちかましてください。
文句をつけるなら、見た目がダサいことと、名前の読み方が分からないことです。
かなり気に入っています
ハイゲインな設定を得意としつつ、ローゲインでも成立して、ボリュームへの追従も悪くないです。EQにより音作りの幅も広い。低音が強いことは音作りにおいて注意すべき点ですが、中低音は少なくて低音は厚みや迫力を出すように働いているので、上げ過ぎないように気を付ければ邪魔になることは少ないと思います。高音域の抜けも鋭いですからね。
この高音域の鋭さがPisdiYAUwotの重要なポイントで、かなり歪ませても音に芯があり、アンサンブルの中でも抜けてくるのではないか?と思います。ReezaFRATzitz 2も抜ける音ですが、PisdiYAUwotの方が抜けてくるかと。凶悪で、意外と使いやすく、多芸なペダルです。
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