ギタラバ2024 NAGOYA「FUZZ Freak’s SUMMIT」のレポート

島村楽器 名古屋パルコ店で2024年11月22~24日にかけて開催されたギタラバNAGOYAの中でのイベント「FUZZ Freak’s SUMMIT」に参加してきました! ゲストのお二方の発言は極力触れずに、その場に有ったファズの感想などをまとめました。

まず、「ギタラバ」ですが、島村楽器主催のイベントで、10月から12月ぐらいにかけて、各県?各地方?の島村楽器が時期をずらしながら開催しているものとなります。ですので、ルシアー駒木さんが各地に出没したり、頑張れば複数会場に参加できたり…ということですね。

 その中で、島村楽器名古屋パルコ店 中古エフェクタ―&ベースエフェクタ―担当の下郷さんが企画して、CULT代表でペダリストの細川さん、名古屋を中心に活動しているELECTROGRAVE Kaz Koikeさんを招いてトークショーが行われました。

 今回開催が実現したのは、もともと細川さんと下郷さんの間で親交があり、CULTではELECTROGRAVEの製品を扱っているし、名古屋パルコ店でELECTROGRAVEのイベントを行っていたり…とお互いを知り合っている仲という背景があったようです。

 今回のイベントは、いわゆるトークショーというものではなく(最初にFUZZとは…という導入はありましたが…)、本編は参加者の渾身のファズペダルをMCに渡して弾いてもらってトークをする、という流れでした。では、その中で印象的だったものを紹介します。ちなみに、中を開けてみんなで見て盛り上がるとかいう、どう考えても頭のおかしい集まりでした。

Arbiter FAZZ FACE (1967?)

 サトーノブと呼ばれるノブが出荷時がついていたと思われるロットの個体。説明不要のレジェンドファズですね。こちらもオーナーのご厚意で開けて見せていただきました。FAZZ FACEは特有のにおいがする(細川さん)というのが面白かったです。

 音は、FAZZ FACEとしてイメージするサウンドそのものでした。一方、ギターボリュームを絞った際の「クリーンに、ちょっとだけ旨味を載せる系のエフェクターを踏んだ感じ」のニュアンスが素晴らしいものでした。

Sarapedals BMT

 Phantom FXの組み込みを行っているSaprapedalsによるトライアングル系マフ。荒々しさもありながらきめが細かいスムースさがあるのと、トーン、ゲイン共にコントロールのセッティングが絶妙で「必要な物を必要な分だけ」という仕上がりでした。「これだけローゲインで良い音のするマフはなかなか無い」という細川さんのコメントもありましたね。
 オーナーも見たことがないという中身も素晴らしいの一言。ちなみに、Phantom FX Motherの組み立て動画がアップされていますので、ぜひ。素晴らしいの一言。

この動画は細川さんが作られたもので、作業音とBGMのバランスはかなりこだわって調整したそうです。(BGMは戸高さん)

細川さんのBIG MUFF Pi 1974

 以前にYoutubeで紹介されていた個体。

 自分がマフ系にハマり始めたときにこの動画は見ていて、この個体の音が良いなぁ…と思っていたので、実物を見れてとてもよかったです。

 もう一台、同時期のビッグ マフ(音の良い個体)が持ち込まれていたのですが、それと比べて低音がドシッと出ていて、高音域の鋭さも出ているのが特徴で、これは多数の個体を見てきた中でも平均よりも低音が出ていてレンジが広いようです。

 細川さんが1X年前に購入して、狭い部屋の中で鳴らして「うぉ…良い音ぉ…」ってやってきた個体で、辛いことがあったら鳴らすという人生と共にあったものだそうです。

CULT ARMS

 という話があってからの、CULT ARMS。11月24日現在、受注受付中。

 モード切替を搭載しており、V2がラムズヘッド期、V1がトライアングル期です。D2は嫌なことがあったときに「ガーーーン」っと爆音で鳴らしたい音としてイメージしたもので、D2はかなり過激なのでD1はそれを少し穏やかにして使いやすくしたものだそうです。

 実はその前段のトークでELECTROGRAVEのKoikeさんから「前の職場で設計や音作りの制約が厳しくて、閉塞感があったけど、あまりにも自由過ぎるFUZZに出会って『こんなに自由で良いんだ!!』と衝撃を受けた」という旨の話があって、「世の中にウケやすいエフェクターを作って売れるのは羨ましいけど、自分はやりたくない!という気持ちをFUZZにぶつけている」ということもされていたのですが、上記のD2の設計思想を受けて「やっぱりFUZZには鬱憤や破壊衝動の発散と結びついている」と盛り上がっていました。

 元となった個体との比較で、かなり近い傾向のサウンドが出ていました。オリジナルの、低音の厚みと高音の鋭さが同居した圧力と攻撃力がARMSでも楽しめそうです。D2はローも増幅しまくって飽和しているのか「ゴッゴッゴッ」と不穏な潰れが発生していたりして、普通には使いにくいものの、印象的に使えるアーティストならこれでしか出せない音になるのでは?と感じました。

 ちなみに、ローゲイン目の設定や、前段にODとかディストーションを置いて低音をすっきりさせつつ…という使い方も良く、これは良さそうと思って予約しました。

最後に

 島村楽器としては「かなり攻めた企画」だったと思います。というか、最近の島村楽器って「極端に攻めている店員」を取り上げる傾向があるように思っていて、そういうのが、メジャーどころで新品の扱いが多い島村楽器に、オタクを呼び込むきっかけになっているのではないか?と感じています。

 私のようなオタクは面倒なので本気で相手する必要は無いと思います()が、気を許したオタクはお金を使うので、その利益が初心者支援のための施策に用いられるのであればよいのではないでしょうか?

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