[レビュー]29 Pedals「JFET」はクリーン派に試してほしいペダル(高評価)

 29 Pedalsの「JFET」を購入しました。チューニングが絶妙なブースターペダルで、Xモードではかなり低い低音まで正確に増幅してくれます。これにより、タッチレスポンスが向上し、各弦の音に陰影がつくかのような立体感や分離感が良くなります。クリーンで演奏する際には、このモードが非常に心地よく、高評価でした。

29 Pedals JFET ブースター レビュー

29 Pedalsと「JFET」

 29 Pedalsは、スタジオエンジニアであるJesse Honigによるブランドです。私がインタビューを見たり、JFETを触れたりした感想としては「スタジオエンジニアである立場から、よりよい音を出すために必要な機材を提供する」というのがキーワードとなっているようです。

 「○○系!」とか「○○のアンプの音!」というのにはまるで興味が無いような印象で、Youtubeで『クリーンなサウンドで弾くのが好き』と言っているのもあって、クリーンか僅かに歪む領域で良い働きをするペダルを提供しているように思います。たとえば、インプットバッファーのEUNA、出力バッファ―のOAMPです。これらは、僅かに音を変えつつ、元の良さを引き出すような働きをします。それ以外に、歪み系のFLWR、ファズのTOKIがラインナップされています。これは積極的にサウンドを変える系ですね。

 今回レビューするのは「JFET」というブースターです。これは、元の音を引き出しつつ、積極的に音をちょっと変えていく、上記の2つの間に位置するような立ち位置だと思います。詳しく見てゆきます。

29 Pedals「JFET」の機能

 JFETは、3ポジションのスイッチ1つと、レベルのノブだけのシンプルな構成です。

29 Pedals JFETの操作系

Fモード:中高音を持ち上げて、低音域を少し削る。
Nモード:とても普通なブースター。ミッドを持ち上げ気味。
Xモード:10Hz以下までフラットな特性のブースト。

 Xモードは低音までしっかりとブーストされ、一般的なエフェクターは低音がはっきりと削れ、F、Nのモードも少し低音を削るので、相対的にXモードは低音が強いように感じます。

 ノブを右回しでレベルが上がります。

29 Pedals「JFET」レビュー Xモードがお気に入り!

 レベルを上げると歪むのかなぁ…? 歪みが増えるというイメージは持たない方が良いです。全体的に、すこし丸みが出るような若干のコンプレッション感があるように思われます。タッチの繊細さや表現力を邪魔することはありません。

 私が気に入ったのはXモードです。使用しているJC-22は、いわゆる「オーバードライブサウンド」が出ないアンプで、ここにJFETのXモードでONするだけで、気持ちよく弾けます。

 わずかに煌びやかさが足されて、かなり低い低音域が少し持ち上がります。そして、各弦の音にうっすらとした陰影がつけられるような感触が得られ、各音の立体感や分離感が良くなります。これが非常に心地よい。煌びやかさと分離感、低音域によってアンプの反応性が格段に上がったように感じます。

 言い換えると、良いアンプに買い替えたような感触です。AndertonsのYoutubeでのレビューでも近いことが言われていたのですが、今までアンプに不満を持っていたわけではないのですが、JFETを踏むとある種の早さを感じて、OFFにするとアンプに不満を覚え始めるのです。

 この効果はJFETが最終段に近い方が効果が大きいようにを感じます。というのも、後段のエフェクターが低音などを削って、JFETの効果を消してしまうからだと思われます。というわけで私は、JFETを最終段に置きたいと感じました。

 私は最近ジャズっぽいものというか、ソロギターっぽいものを弾くのが好きで、和音を弾いた時に低音がしっかりと残る方が心地よい(厚みが出る)のですが、アンサンブルで考えると低音が過剰という感想もあります。そういう時は、NあるいはFモードにすると良いです。他のモードもチューニングが絶妙です。

 タッチに敏感になる感触は弱くなるものの健在で、煌びやかさや艶が増して良いです。この場合は、クリーンだけでなく、ODの前に置くのも効果的です。低音を削ったりミッドが持ち上がったりと言っても、基本は「フラットでクリーンなブースター」の範疇で、かなり微妙な差ですが、その微妙な差が良い仕事をしています。

 Xモードは「JFETでなければ!」と強く言える仕上がりなのですが、N、Fモードの場合は代替があるかも?という思いがあります。ブースター、特にクリーンでフラットなブースターを集めての比較まではしたことがないからなぁ…。少なくとも「こんなにも差が小さいモード切替を付けるぐらい、微差にうるさい製作者が、微差にうるさい人に向けて作ったブースター」と言えます。

 超お気に入りですが、超オススメしにくいペダルです。クリーンや滲む程度に歪ませたサウンドが好みの人は試してみる価値はあると思います。アコギ使いの人とかはマッチするかも。

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