アナログディレイを探してBOSS DM-2Wを購入しました。2025年においてはアナログディレイは準絶滅危惧種といった存在です。というわけで、基本が分かるアナログディレイ、コストパフォーマンスが良いアナログディレイ、付加機能も魅力的なアナログディレイと考えてゆくと、BOSS DM-2Wが合理的な選択だと考えて購入に至りました。アナログディレイ特有の崩れてゆくリピート音は魅力的です。

2025年時点でアナログ・ディレイを探してみる
アナログ・ディレイは、BBDという「楽器用ディレイにしか使わないような素子」を使用していることが特徴であり、「昔は大手ICメーカーが製造していたけど今はディスコンで…」という状態です。現在、新品で購入できるモデルは、そのメーカーが独自でBBDを製造していたり、細々と作られている物を使ったりしているものです。
大手、定番モデルで選択すると…
エレハモのメモリーマン系
MXR カーボンコピー
Ibanez ADMINI
そしてBOSS DM-2W
これらを俯瞰すると……メモリーマンは素晴らしいけど流石に高い。わざわざアナログディレイが欲しいって思っているのだから、ADMINIやそれ以下(TC Electronicsや中華系激安)では妥協したくない。
すると、MXRのカーボンコピーか、BOSSのDM-2Wとなります。ぶっちゃけていって、この2つから選ぶの好みです。自分は、同じタイミングで弾き比べというのができなかったのですが、DM-2Wの方が、リピート音が崩壊してゆく感じが儚げで良かったことと、DM-2Wの方が原音が前に出てくる感じがして、それを好んでDM-2Wを選びました。リピート音の存在感が、よりハッキリしているのが好みであれば、カーボンコピーかな?と思います。ただ、設定でひっくり返りそうな気もします。また、カーボンコピーがリピート最大600msに対して、DM-2Wは800msと設定幅が広い。
値段のことを考えると、新品で定価ならDM-2Wの方が安く、中古はカーボンコピーの方が値段が落ち着いている。中古市場在庫はカーボンコピーが優勢。個人的には、DM-2Wをポイント還元を上手く使って2万円程度で買えるなら、カーボンコピーの中古を1.8万円で買うよりもお得では?と考えました。
BOSS DM-2Wのレビュー
DM-2Wの設定
BOSSのWAZAシリーズ特有のモード切替スイッチは、SモードではオリジナルのDM-2を引き継いだ柔らかく、太いディレイサウンドです。Cモードは少しだけクリアになります。(といっても、本当に少し変わるだけ。) また、基本は原音にディレイサウンドをプラスするという思想です。
REPEAT RATEはリピート音が遅れてやってくる時間を設定し、Sモードでは最大300msで、Cモードは最大800msとなります。INTENSITYは、リピートの繰り返し回数。左に絞ってRATEも絞り気味にすると「タンタン…」と原音が近くで反射したようなスラップバックができますし、発振もします。ECHOはリピート音の大きさです。
DM-2Wのサウンドレビュー
アナログディレイですので、INTENSITYを大きめに設定すると、後半でサウンドが崩壊してゆくような、ふわっと溶ける、崩れるような感じが魅力です。また、全般的に柔らかいのが特徴です。デジタルディレイのトーンを絞ったのとはまた違うローファイな感じを好むかどうかが、アナログディレイが欲しくなるか否かに効いてきます。

さすがにBOSSの最新世代のエフェクターだけあって、原音の痩せや、リピート音のノイジーさなどは感じません。これは基本的に高評価につながるのではないか?と思います。
デラックスメモリーマンは特有のサウンドが出たりして、かなり魅力的ですがノブも多くて設定項目が多い。それに対してDM-2Wは操作が分かりやすく、狙った感じが出しやすい。リピート音が崩壊してゆくときの崩れ方がボロボロと塊で崩れるような感じで、カーボンコピーは輪郭が曖昧になって消えてゆくような感じ。どっちもすごく良くて、そのうちカーボンコピーも買ってしまうかもしれません。
モデリングや、デジタルディレイでアナログシミュレートとかできる時代に、わざわざアナログディレイを買うのですから、ここは「滅びの美学」の目を向けて、ディレイ音の崩れ方にこだわって選ぶのが良いと思います。
DM-2Wの入出力は意外と充実している
入力は、ギターからの信号入力とRATE入力があります。ここにはROLAND EV-5エクスプレッションペダルを繋ぎ、ディレイタイムの調整を可能とします。この時、本体のREPEAT RATEはエクスプレッションペダルの踏み具合と変化の仕方を調整するものに変わるとのこと。何度かやってみましたが、まだコツが掴めないです。
出力は、OUTPUTとDIRECT OUTで、通常はOUTPUTからアンプに繋ぎます。この時、原音にディレイ音が混じった状態で出力されます。
DIRECT OUTに何かが刺さっていると、そこからは原音だけが出力され、OUTPUTからディレイ音のみが出力されます。つまり、DryとWetを分けて出力できる。これをJC-22のLRに分けて入力すると、原音とディレイ音が空間でミックスされ、独特の立体感になります。これを楽しむとDM-2Wにして良かったと感じました(自分はJC-22を愛用しているのでね…)
「合理的」と書いた理由
「最強」と書かずに「合理的」と書いたのは、アナログディレイはエフェクターの中でも趣味性の高いジャンルであり、好みで選ぶのが一番良いと考えていること、それを背景にしつつ「一番妥当そうな選択を考えるとDM-2Wになること」という考えによるものです。
デラックスメモリーマンでしか出ない音は確実に有りますし、カーボンコピーも素晴らしいです。
ただ、2025年時点で、コストと機能性のバランスが良く、王道のサウンドが楽しめて、DryとWetを分けて出力できる機能性を評価してDM-2Wを選びました。「アナログディレイは1台は持っておかないと」などという奇特な方は、DM-2Wから入るのが合理的だと思います。

