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Two Notes Torpedo Captorのレビュー(音質と小音量化の評価)

自宅で真空管アンプを気軽に使用したいと考えて、アッテネーターのTwo Notes Torpedo Captorを購入しました。NAMMショーでMarshallが採用していたメーカーのアッテネーターです。使用してみると、アッテネーターでありがちな「モコモコする」感じが無く、高音もしっかりと抜けて、元のアンプのサウンドを楽しむことができます。日本の家庭ではアッテネーターは必須かと思うので、Captorはおすすめのアッテネーターです。

Two Notes Torpedo Captorのレビュー

Two Notes Torpedo Captorを買った理由

 Two Notes Torpedo Captorとはアンプに接続するアッテネーターと呼ばれる製品です。アンプの出力に繋ぎ、Captorからスピーカーに繋ぐことで、出てくる音量を抑えるものです。同じような効果の製品の中でCaptorはアクティブタイプに分類され、電気回路によってスピーカーの挙動を再現してくれて、自然に音量を抑えるということが特徴になっています。

 Captorをを知って、購入を決断した理由は、NAMMショーのMarshallブースで使用されていることを発見したからで、「アンプメーカーが採用するのだから高品質なんだろう」と考えたからです。また、アクティブタイプであることが決め手でした。

Two Notes Torpedo Captorの特徴

 Torpedo Captorには、基本モデルのCaptorと上位機種のCaptor Xが存在します。大雑把な(注目すべき)機能は以下です。

Captor:-20dB、アナログCABシミュ、DI機能
Captor X:-20dB、-38dB、IR読み込み、DI機能、ヘッドホン出力、各種エフェクト

 Two NotesはCABシミュやDAWで実績のあるブランドだそうで、DIやCABシミュ、IR読み込みなどは期待できます。なお、各モデルはインピーダンス違いのモデルがあるため、購入時には注意してください。

 Captorは5万円、Captor Xは10万円と価格差が大きいため、選択は悩ましいものとなります。

 私は、アンプを使うならスピーカーから音を出す(ヘッドホンアウトは使わない。ヘッドホンならマルチエフェクターを使う。)、この手の製品は初めてなので10万円は出す勇気がないということでCaptorを選びました。

Two Notes Torpedo Captorのレビュー

とても気に入っている点

 Torpedo Captorで私が気に入っているのは、音量を抑えるアッテネーター使用だけであれば電源が不要であることです。これにより、配線などを気にせずにアンプとスピーカーの間に配線することができます。電源を入れ忘れていてアンプ破損とかいうことがありません。安心できます。

 また、「10万円から」が相場となっているアクティブタイプのなかでは安価な部類で、「高価なパッシブタイプぐらいの価格」となっている点が魅力です。

Two Notes Torpedo Captorのレビュー

電源の挿し込み口がありますが、音量を下げるだけなら不要です。

冷却のためのファンが付いていますが、アンプが音を鳴らすために出す電力を吸収して、それを電源として回転します。偉い。

アクティブタイプのアッテネーターが有利な理由

 先に、アクティブタイプが有利とされる理由について触れましょう。スピーカーには、周波数ごとに出力される音の大きさの特性があり、ギター用スピーカーでは中音域から高音域にかけて強く、ギターの音が抜けてくれる、ギターらしい音が出るようになっています。いわゆる周波数特性です。

 もうひとつ重要な特性としてインピーダンス特性があり、8Ωとか16Ωというのは別に、周波数によってインピーダンスが変化します。低音域でグッと高くて一旦下がり、高音に向かって上がってゆく特性です。これがどう影響するかというと、高音域では電流が流れにくくなることに繋がり、電流量は音量と関係があるので、高音域が出にくいということに繋がります。

 普通ですと、この特性のまま高音域が出にくくなるのですが、真空管という部品の存在が話をややこしくしています。電流が流れにくいところを真空管が頑張ってしまって、高音も「出たなりに」出るようになります。瞬間的な応答=高周波として考えることもできるので、このあたりが真空管アンプの反応の早さとか、特有の高音特性に関係しています。

 安価なパッシブタイプ=抵抗が付いているだけのアッテネータですと、インピーダンスはほとんど一定です。すると、真空管特有の「高音や高応答性で頑張る」のが無くなり、スピーカー直結状態よりも音がモヤっとします。さらに、抵抗≒コイル状の部品のせいでフィルターとなって音がこもりやすくなります。

 これに対してアクティブタイプは、周波数によるインピーダンスの変化を模擬するため、真空管を頑張らせることを再現します。この結果、音質を変化させずに音量を小さくすることが可能となるわけです。

Marshallが認めた(?)Torpedo Captorの音質レビュー

 とまぁ、Captorのアクティブタイプアッテネーターが有利であることを踏まえた上で、その音質のレビューに移りましょう。

 音量を抑える効果ですが、私はMesa Boogie Mark Five:25W コンボ(10 or 25W、10inchスピーカー+12inchキャビ)を使用しており、-20dBでは「ギリギリで、不足と感じる人の方が多そう」という感想です。

 10inchスピーカー、10W状態でクリーントーンでは、マスターボリュームを割と気軽に動かすことができます。鳴らす音量にもよりますが、10時ぐらいまでは気軽に、1時ぐらいまで使える人も多いかと。一方で、25W 12inchキャビ、ディストーションサウンドでは、マスターボリュームを動かすのにかなり神経質にならないと、集合住宅では即退去です。家で音出しに厳しいご家庭ですと、クリーンでも結構気を使うかもしれません。ですので、予算が許せば2段階のアッテネートが可能なCaptor Xがおすすめです。

 で、アッテネートした時の音質ですが、「Captor無し」と「Captor接続」で音量が近くなるように調整しつつ比較すると、Captor接続時の方が高音が僅かに出て軽やかな感じ。同じ条件での比較というのが難しいですが、低音域は少し少ないのかもしれません。とにかく、Captor接続で「こもってモコモコする」というのは回避できて、満足感があります。

 先にも書いた通り、Captorの-20dBはアッテネーターとしては控えめであり、マスターボリュームを上げてドライブ段を歪ませるような使い方ですと不足を感じるかもしれません。あくまで、増幅段の真空管を歪ませたときに効果的な程度の小音量化に使えます。

アッテネーターで小音量化した時の難しさ

 Captorは、小音量化した時の音質劣化が比較的穏やかだと思います。しかし「全く変わらない」ということはありません。ただしこれは「人間の感じ方の差」も考慮すべきです。

人間には「周波数によって感じ方が違う」特性がある

 人間には「等ラウドネス曲線」という特性があり、周波数によって音の大きさの感じ方が異なります。

等ラウドネス曲線 - Wikipedia

これを見ると、0Hzから100Hzに向かって一気に下がって(小さく感じやすい)1~2kHzあたりで底を打っています。ここからさらに高音域に向かって少し大きくなります。これを考慮してギターに当てはめると、小音量にするとギターで欲しい100Hzから2kHzあたりが小さく、音量を下げるとモコモコしやすいという傾向になります。

 原理的にモコモコしやすい、高音域が減衰しやすいパッシブ型のアッテネータですと、この等ラウドネス曲線の特性とぶつかって、さらにモコモコしやすくなってしまいます。これはあまり議論されませんが、結構効いていると思います。Captorはこのあたりをしっかりと考えていて、ギターで欲しくなる高音域を盛って、低音域をスッキリさせているのではないか?と思います。

 真偽のほどは定かではありませんが、Captorの出音が比較的ナチュラルで満足のゆくものなので、良い買い物だったと考えています。

最後におすすめを検討する

 自分は、25W or 10W出力のアンプに組み合わせて、「クリーンなら十分」、「(音量が大きくなりやすい)ハイゲインでは不足」を感じる程度の小音量化ができました。

 そのため、20Wクラスでクリーンで使うならCaptorで良いと思います。それ以上の、特にマスターボリュームしかついていなくて、ボリュームを上げて歪ませたいという方はCaptorでは不足かもしれませんのでCaptor Xをおすすめします。

 Captorは、音質の劣化が少なく、おすすめしやすいアッテネータです。

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