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Suhr SSH ハムバッカーのレビュー

 今回は、SuhrのSSH(ギターではなくて、ピックアップ単品)のレビューをします。私のSAITO Guitars S-622CSはSSHスタイルのギターで、リアハムをSuhr Aldrichハムバッカーに交換していました。ここから、Suhrのハムバッカーの中でもモダンモデルの標準となるSSHに交換しました。その音の印象についてレビューします。SSHがマッチする人も個人的な感想から述べます。

Suhr SSHハムバッカーのレビュー

SuhrのハムバッカーのラインナップとSSHの立ち位置

 Suhrのハムバッカーのラインナップは大雑把に以下になっています。

ヴィンテージ系

・SSV / SSV+
・DSV / DSV+
・Thornbucker / Thornbucker+
・Thornbucker 2
・Asatobucker

モダン系

・SSH / SSH+
・DSH / DSH+
・Doug Aldrich

 +が付くと出力アップとローからローミッドの増強が図られたモデルとなります。SSVとDSHの関係は、アジャスタブルポールピースががSでは片側のみ(普通)でDでは両側となっています。部品が違うので音もちょっと違うらしい。この他にWoodbuckerとかありますが、日本ではほとんど見かけないものは省略。Thornbucker2はヴィンテージ系なのかとか、語りたいことはありますが、今回はSSHのレビューなので詳しいことは省略します。

 SSHは、Suhrのモダン系の標準となるハムバッカーであり、Suhr本国サイトでは「SSHは、ヴィンテージとホットのギャップを橋渡しし、強力な出力、チューブアンプのフロントエンドを押す顕著なミッド、そして甘いオープンサウンドのビンテージスタイルの調性を提供します。」と説明しています。これに対してSSH+は「真の高出力ハムバッカー」とされていて、かなり低音が出るピックアップとして知られています。

ピックアップの配線について

 以下の組み合わせで配線しています。
 ・Vol POT 500kΩ
  (組み合わせているV63+選択時には250kΩとなるように並列抵抗を追加)
 ・Tone 500kΩ+0.022μF(ハム用)

[レビュー]Suhr SSHのパワーは十分か?

 SSH+よりもパワー控えめなSSHでも十分なパワーがあるのか?という点が注目されるのではないでしょうか? SSHは、低音に由来する圧は控えめに、ハードロックには十分な、個人的にはメタルも十分いけるのでは?と思うパワー感があります。ハイゲインサウンドを出す際に「入力段でローを求める」のか「入力段でローをカットして、歪ませてからローを盛る」の2つのアプローチがあると考えていて、自分は後者であり、後者ならばSSHで超ハイゲインサウンドまで対応できると思います。

SSHに替えてレスポンスが良くなった気がする

 SSHに交換した後に、弦高を見直したり(テクニカルなことをするのに少し下げた)、刻みフレーズの練習をしたりと、結構、コンディションが変わっているのはあるものの、弱く弾いた時の(刻みで力を入れなくても)レスポンス感が良いと感じています。ちゃんとエッジが立って、粒が揃う感じ。こういうと、弱い入力のニュアンスが出ないように聞こえるかもしれませんが、たぶんそういうわけではないと思っています。あまり自信は無いですけど、強弱のニュアンスは出つつ、弱くても良い音がちゃんと出る的な……。

[レビュー]Suhr SSHのサウンドバランス

 パシフィカ PAC611VFMに搭載されているダンカン CUSTOM 5との比較を交えながらレビューします。

 ローからローミッドは意外とすっきりとしています。ミッドが少し持ち上がってハイに向かって緩やかに落ち着く印象です。クリーンでシングル(V63+)とSSHを比べると、カリッとジャリンとしたフロントのV63+に対して、ブリッジPUながらエッジは控えめで甘めのサウンドに感じます。

 ローを僅かに絞ってハイを持ち上げた(いわゆる普通の)軽いオーバードライブサウンドにしてSSHでのカッティングも良いです。低音域が重すぎず、高音域もちゃんと出ているのでセッティングが極端にならず、そのままフロントに切り替えても破綻なく、良いサウンドになります。

 ゲインを上げてゆき、フロントシングルで気持ちの良いクランチにしてSSHに切り替えると太さがありつつエッジもあるリードトーンとなります。このあたりのバランス感覚はV63+が全域出ているパワーのあるシングルコイルだというのも関係ありそう。ヴィンテージ系のローパワー系だと、今回ほどグッドバランスに感じなかったかも。

 ハイゲインサウンドにすると、控えめなローとローミッドで飽和せず(音が潰れず)、ディストーションに欲しいミッドがしっかりとあって、ハイミッドが比較的出ていること、ギャリっとしたプレゼンスが結構出ることから、カリッと芯のある抜けてくるサウンドになります。

 CUSTOM 5をハイゲインにすると、PAC611VFMの重いボディーも相まって太いローがあり(とはいえ、一般的なハイパワー系ハムよりかは締まったサウンド)、SSHの方がすっきりとしています。こちらもSAITO S-622CSのボディ由来のローが控えめなことが影響しているかもしれません。またCUSTOM 5がもっちりと太く感じるほど、SSHの方がカリッとすっきりと見通しが良いです。こちらもS-622CSのボディの特性が出ている(フロント・センターに載せたV63+も同じ傾向だから)可能性と、PAC611VFMのCUSTOM 5はカバード、今回のSSHがオープンなので、それによる差も含まれていそうです。

 このように、SSHはどのゲイン設定でもうまく働いてくれます。唯一苦手なのは、壁のような太く重いハイゲインサウンドを目指す場合だけでしょう。個人的には、そういうのはエフェクターやアンプ側でなんとかなるのではないか?と思っています。

 

さて、ここからはおまけ。

SSHよりもSSH+の方が圧倒的に人気である理由を考える

 SSHのことを調べようとしても、あるいは搭載ギターの評判を調べようとしてもSSH+のことばかり出てきます。それもそのはずで、日本に入ってきているSuhrのリアハムには、モダンなモデルにはSSH+が搭載されています。海外のフォーラムを見ても「SSHのレビュー少ないよね」ってのをちらほら見ます。

 Suhr Aldrichを使った経験から言うと、いわゆるモダンハイパワーピックアップでは使いにくい(こもりすぎる)クリーンやクランチでもAldrichは上手く働いてくれていて、こういう特性がSSHとSSH+にもちゃんと備わっているなら、モアパワーなSSH+の方が便利じゃない?というのが市場の選択なのではないでしょうか?

Aldrichを外して、SSH+ではなくSSHを選んだ理由

 Aldrichは超パワーの割にバランスが良くて悪くなかったのですが、やはりローが強くて、締りがあって抜けが良いサウンドが欲しくなるとローが強すぎる。所有しているパシフィカ PAC611VFMに搭載されているダンカンのCUSTOM 5が硬い音で使いやすく好みだと感じて「このままだとAldrichを搭載したSAITOの出番が無くなるな…」と感じました。そもそも、SAITOのデフォルトのリアハムにパワー不足を感じて「パワーアップするなら振り切って!」とAldrichを選んでいたため、2回目の交換は若干覚悟していました。

 Aldrichを外そうと思った理由が「ローが強い」ということだったので、ローが強いSSH+は候補から外しました。また、自分はSSH+が搭載されたSuhrを試奏したことがあり、その際にローが強すぎて抜けてこずに困ってしまったことがあって、SSH+に良い印象を持っていません。ただしこれはアンプとの相性や私の腕が無さ過ぎた結果というのは否定しません。(なので、もう一度トライしたいと思っている)

 SSH+のレビューを見ると「ハイからローまで出ていて最高!」というレビューと「ローが強すぎて壁みたいな音」と二極化しているように思います。この理由として、搭載方法(ダイレクトマウント or ピックガードマウント)やボディー(メイプルトップの方がバキッと硬い音になる)といった、ギターの特性が大きく関連しているのでは?と思います。違う見方をすると、ギターの特性をちゃんと拾う優秀なピックアップということなのかも。

(自分が試したのはピックガードマウント+アルダーボディーで、モヤっとしやすい構成。SAITO S-622CSも同じ構成なので、好みのサウンドにならない可能性が高い。)

最後に、レビューのまとめと個人的なおすすめの選び方

 なんでもやりたい(ポップス、ハードロック、メタル寄り)のであれば、SSHはかなり有用な選択です。なんでもやりたい(ネオソウル、クラシックロック、ハードロック寄り)であれば、SSVやThornbuckerなど選択肢は多いですが、SSHでもうまくやれそうです。SSHとSSH+、Doug Aldrichの選び方の個人的なおすすめをまとめておきます。

SSH+がおすすめの人

・厚みとパワーが欲しい
・リジッドマウント、メイプルなど硬いトップ材のギター
・とりあえず人気のPUなら安心な人

Doug Aldrichがおすすめの人

・レスポールでモダンでハイゲインが欲しい
・リジッドマウント、メイプルなど硬いトップ材のギター
・SSH+よりも、もう少しカリッとした音が欲しい人

SSHがおすすめの人

・上記の2パターン以外の人
・バーサタイルさを求める人
・アルダー、ピックガードマウントのSSHスタイルギター
・SSH+とDoug Aldrichはローが強すぎると感じた人
・ヴィンテージ系ではパワー不足が不安な人

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