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オールマイティーなオーバードライブのBOSS「SD-1W」レビュー

超定番オーバードライブであるBOSS「SD-1W」をレビューします。超ロングセラーのSD-1をStandardモードとして、Customモードを追加して切り替え可能としている点がトピックスです。Sモードでは、低音域控えめのスカッとしたオーバードライブとして使いやすいです。Cモードはローやローミッドに厚みがあり改善が図られています。ネックPU、ブリッジPU、シングル、ハムと上手く噛み合うセッティングがあって、オールマイティーで高評価です。

BOSS「SD-1W」レビュー

 SD-1は、同じく定番オーバードライブであるTS9と回路的に共通点があり、比較的似ている(けど、微妙にキャラが違うから、使い分けたり、どちらが好きかと派閥ができる)とされています。※この微妙にというのが厄介で、全然違うという意味でもあります。なんだそれ。

 実際に、SD-1WのSモードと普通のTS9はバランスとか使い方が結構似ています。特徴的な違いは、TS9はトーンを上げ過ぎなければ基本的に丸い歪みの質で、SD-1W(S)は鋭さがあって、カリッとする成分のある歪みになります。いずれも低音域が割とカットされていて、ローゲインで滲む感じにセットすると枯れた感じが出ます。このあたりは両方好みです。ローがカットされることによって、歪ませたアンプをプッシュするブースターとして使うと、歪み感を増しながら低音を整理させてすっきりさせるODとして優秀です。

 TS9とSD-1Wの特徴的な差としては、SD-1W(S)でゲインを上げ目にしてトーンを絞っても、カリッとした成分が残る点で、TS9ではこもる印象が強くなります。よって、SD-1Wの方がトーンの使いやすい範囲が広いと感じました。

 SD-1WのCモードでは、ローからローミッドがぐいっと持ち上がって、太く、厚みのあるサウンドになります。また、ローやローミッドが増えるためか、歪みの質も少し丸さが出ているように感じます。倍音構成の違いでしょうか? また、音圧が増して、音量がアップした感じがあります。こうなるとTS9とは全く違うサウンドになって、ブースターとして使うとケンタウロス系を思わせる太いブースターになります。

 Cモードとネックピックアップに組み合わせると、この太い感じが強すぎる印象があり、重くなりすぎることがありました。よってCモードでは、トーンを上げ目にして使う方が良いように思います。すると、厚みがありつつ鋭さがあって、かなりパンチのあるサウンドです。これは良い。個人的にリアハムにかなり合う。また、Sモードでトーンを下げてもカリッとしていると書きましたが、Cモードでは丸くなりやすくなっています。

BOSS「SD-1W」はオールマイティー

 オールマイティーとされるTS9よりもSD-1Wの方が更にオールマイティーと感じました。(優劣ではない。) というのも、以下の組み合わせが良いなぁと感じたからです。

Standardモード
・ネックPU、ブリッジPUの両方OK
・シングルコイル、ハムバッカーの両方OK
Customモード
・シングルブリッジ OK
・ハムバッカーブリッジ OK
・ネックPUはトーンを上げ目でOK

 TS9は、ハムバッカーとの組み合わせがそこまで良いとは思えず、その点でSD-1Wはかなりオールマイティーです。

BOSS「SD-1W」の個人的な感想

 SD-1Wは非常にオールマイティーな点が魅力だと感じました。さすがの完成度で高評価です。一方で、私はTS9の滲む感じの歪み方の魅力に目覚め、それを引き出すことに音作りの練習時間を割いていたところもあり、そこと異なるSD-1Wが私のメインになるかは微妙なところかなと思っています。

 星の数ほどあるTS系に分類されると仮定すると(SD-1系と言わないので、そうなってしまう)、オリジナルのTS9にはモード切替が無く、シングルもハムもマッチするオールマイティーさ、BOSSの超優秀な筐体を採用している点などから、おすすめしやすいTS系と言えます。私も「強くてニューゲーム」となるならば、いち早く手に入れるべき1台だなと思っています。早く買えばよかったな。

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