このシリーズは、ギターの万年初心者を脱することができないおじさん(私)が、一念発起して脱初心者を目指すものです。ここに書かれている内容は、初心者が苦しみながらトライしている内容であり、プロの講師からすれば「ぉぃぉぃ……」という内容も含まれていると思います。
第1話では、時間がなくて成長が遅いという「おじさんの辛い部分」を述べながら、とにかく指を動かそう!ということを言いました。『ペンタトニックの1つのポジションをサラッと何往復もできるようになってからお会いしましょう。』と言いながら締めましたけど、ペンタを滑らかに追えるようになりましたか?

押さえられないから、おじさんは脱初心者ができない
ギターは左右の手を連動させて動かす複合的な動作で演奏されます。以前、金管楽器の奏者の方から「我々は、口で歌うのを手で補助する感覚だけど、ギターは両方が合っていないと音が出ないから難しいと思う」と言われたことがあります。トランペットはトランペットで難しさがあるのは承知の上で、ギターの特性上、両方の手の連動がキー&難しいポイントとなる楽器であるのは間違いなさそうです。
この観点から、私が思う「最初に底上げすべきこと」は『左手の動き』だと思います。押さえられなければ何もできない。押さえられないからやってみたいフレーズを弾けず、「簡単なフレーズは格好悪い、面白くない、楽しくない」と繰り返し練習をしない。すると、いつまで経っても指が動くようにならない。
「下手なフォームでの練習は逆効果なので練習しない」って変じゃない?
左手を動かす前に、どこに手を置くか?どのように指を伸ばすか?がフォームとなります。
効率的な練習や、正しいフォームで行う練習は非常に重要です。一方、「下手なフォームの練習は無意味むしろ逆効果」とか言われてしまって(それは正しいとは思う)、そこに捕らわれすぎると「正しくないフォームかもしれないから、下手に練習するのはやめよう」とか考え始めます。そしてギターから離れてゆきます。
正しいフォームで!ということを簡単に確実に解決するなら「教室などで学ぶ」のが最適です。でも時間が無いから、なんか恥ずかしいからそれをしないでしょう? だったら諦めてちょっとでも弾けるようになりましょう。
多少指が動くようになってきても、複雑な、混乱するような運指に追いつくようになるのはさらに先です。そしたら、初心者は初心者なりの「動く指」を作るのが最初の一歩で、苦痛なトレーニング耐えられるだけの「練習に対するスタミナ」がついてきたら、フォームを修正するのでも遅くはないかな?と。
じゃあ何をするのさ? ペンタに決まってんだろ
ということで私の推奨としては、「とにかくギターを抱えて、Youtubeやテレビを見ながらペンタトニックの練習をする」ことです。リズムやミュートは後回し。次のことを考えるのは、少しでも手が動くようになってきてから。
「変なフォームのペンタ練習して良いの?」「そんなにペンタでやることないでしょ?」とまぁ言いたいことが出てくるかもしれませんが、心配しないで。趣味のギター、特にポップス、ロックあたりはペンタに始まりペンタに終わりますし、ネオソウルなんかもペンタをスムーズに弾けるようになって入口かな?と感じています。
ペンタトニックの練習をしましょう!と言っても、奥は深いです。上から順番になめらかに追いかけるのは最初の一歩として、ポジション間をスムーズに移動すること、それっぽく聴こえるパターンで往復すること、スライドを交えながら、実践フレーズにしてと、それだけでも盛りだくさんです。
さらに、ノイズを出さない、ミュートを確実に、ピッキングを良い音で、とペンタに直接関わらない点をペンタ練習に関連させて特訓することもできます。
単純なペンタで構成されたフレーズを探して、それをたくさんやる
教則本に載っているペンタフレーズは、ペンタトニックの練習として優秀なものばかりですが、ペンタトニックの練習に振り切っているところがあって「練習フレーズ感」が強いです。そこで、Youtubeなどで、ペンタトニックを使ったフレーズ集を探して色々とやりましょう。
次回に書くつもりでしたが、「おじさんは、やろうとしているジャンルの楽曲やフレーズを知らないので弾けない」という問題があり、そういう『簡単で格好良いフレーズ』を自分の中にインプットしてゆくことは有用です。
次回は、「気が付いたら1時間もギター弾いてた!」ということが発生するようになったらお会いしましょう。
※追伸
第1話から約6ヵ月が経過し、友人と「90年代ミュージックやろうぜ!」と盛り上がって、GLAYの誘惑や、Xの紅にゼロからチャレンジし、難しい部分は友人に手伝ってもらいながら、ギター2本+ドラムで紅を弾き切ることができるようになりました。もちろん、人にお見せできるほどの完成度はありませんが「楽しく弾けたね!」と言えるほどの出来にはなりました。練習すればやれます!