Roland「JC-22」、すなわち小さいジャズコーラスを購入して愛用しています。そのレビューを色々と見て回っても、1年以上使っている人の意見が少なく、音が硬いというレビューが多いです。JC-22を良い音で鳴らすには、数カ月間は使ってエージングしてやることが必要です。エージングすれば、マイルドかつ煌びやかな良い音になってくれます。
Roland(ローランド)の「ジャズコーラス JC-22」について
ローランドの定番アンプ「ジャズコーラス」の末弟「JC-22」です。ジャズコーラスは都市部のスタジオなら設置率が9割超えてくるかもという定番ですが、同時にアンチというか嫌う人もたくさんいるアンプです。
個人的には「どこにでもあるから、これで音作りができるような機材構成にすればなんでもできるでしょう」と思ってジャズコを使うようになり、家でも似たような構成にしたいと考えて「JC-22」を買いました。JC-22を使いこむ過程で「結構、ジャズコって良いよね」と思うようになりました。
ジャズコ(JC-120)の特徴であるLRに分かれた2ch構成がJC-22でも引き継がれており、LR別々の入力が用意されます。Lだけに入力すればLR両方の音が鳴ります。ブライトスイッチと3バンドEQと、一通りの機能を備えています。また、リバーブとコーラスを備えています。コーラスはLRで出た音が空間でミックスされるもので、電気的にミックスする良い立体感が出ると言われています。
センドリターン、フットスイッチ入力、ラインアウト、ヘッドホンアウトと、本当に一通りそろっているといったところです。
JC-22は完成度が高いアンプです
ここまで書いたように、気の利いたギターアンプが備えている基本的な機能を持っています。サウンドの方もJC-120のように低音が出る(カットされていない)し、セッティングによってはフラットなトーンとなります。そのため、ベースを接続しても、自宅で楽しむor小さなカフェでのライブぐらいなら普通に鳴らせてしまいますし、キーボードなどを接続しても悪くないです。汎用性が高いと言えます。ただし、ヘッドホンアウトは期待しないように。
筐体は非常に頑丈で、サイズのわりに重いです。この重さがサウンドのコシに繋がっていると思っています。ジャズコの見た目が好きなら、デザインの完成度も高いですよ。
「JC-22」の本領を発揮させ、良い音を出すにはエージングが必須です
私が気に入っているのは、1年ほど使い込んだ後のブライトスイッチオンの時のサウンドです。では箱出しすぐはどうだったかというと…。
箱出しすぐは、相当にキンキンします。ブライトスイッチをONにすると、誰がONにするんじゃい!と思うぐらいキンキンして、カンカンします。ですので、当初はブライトスイッチをオフにしてトレブル/ミッドを絞って調整していました。
しばらく使っていると「音のキレが物足りないなぁ」と思うようになり、徐々にEQを上げていくようになって、半年後にはブライトスイッチをオンするようになっていました。
JC-22のエージング後のサウンドのレビュー
私の好みの設定は以下のような設定です。リバーブはお好み。コーラスはカット。
ブライトスイッチ オン
TREBLE:3.5
MID :7.5
BASS :5.0
このような設定でストラトやレスポールのフロントで甘さと煌びやかさのあるクリーントーンが楽しめます。かなり良い。ここにTS-9を滲むぐらいの設定で繋げるだけでかなり楽しめます。ミッドスクープしたハードロックとかを楽しむ時は適当に調整します。
このサウンドが、JC-120に似ているか?と問われてると全然似ていません。JC-120は、やけに鋭くて速い高音と異常に響く重低音があって、相対的にミッドが弱い印象です。(JC-22に比べると特に) JC-22は、スピーカーの特性かローパワー故か高音の鋭さはマイルドで、スピーカーの小ささとローパワーによりJC-120みたいな壁みたいな重低音も出ません。よってミッドが良く出ます。そりゃ違うよねと。
では、JC-120との比較や使い慣れるような相互作用はどうかと言われると、確実にあります。家でJC-22を使って、同じ機材でスタジオでJC-120を鳴らして…と何度か繰り返していると、JC-22とJC-120で設定の相関関係が分かってきます。そもそもJC-22で好みなサウンドが出ており、JC-120とのキャラの違いが分かってきているので、JC-120ならこんな感じ、と設定が見えやすくなってきました。
この状態で、楽器店での試奏でJC-120でエフェクターを試し、良い感じの設定を見つけて気に入って購入したとして、家のJC-22に繋いだ時にそこそこイメージ通りのサウンドを出すことができます。
※追記
29 Pedals JFETを購入して、アンプの直前に配置するようにしたところ、立体感や奥行きが増し、煌びやかさも出て「この値段で、この小さい音量で、こんなにも気持ちが良いクリーンがでるの??」ってなっています。おすすめ。高いけど。
エージング必須ですが、JC-22は良い音で高評価です
このアンプの本領を発揮するにはエージングが必須です。しっかりと弾きこんでください。ある程度馴染んでしまえば、筐体の作りが頑丈で、機能性も十分な良いアンプとなります。
2chでスピーカーが2つで音に立体感があり、バランスも非常に良いです。楽器店での試奏では良さが伝わりにくいかもなぁと思いますが、長く付き合える良いアンプだと思います。
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