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Suhr Aldrichハムバッカーはハイパワーだけどバーサタイルで使いやすい[レビュー]

SAITO GUITARS S-622CSのリアハムをSuhr Aldrichハムバッカーに交換しました。ハイパワーでエフェクターやアンプをしっかりと歪ませることができ、気持ちの良いドライブサウンドが飛び出します。すっきりと芯のあるサウンドのため、全体的なバランスが良く、これはかなり優秀なピックアップだと感じています。

SSHスタイルのギターのリアハムをSuhr Aldrichに交換した経緯

 SAITO GUITARS S-622CS(SSHモデル)はアルダーボディーにピックガードマウントのハムバッカーが搭載されています。ピックアップはサイト―オリジナルの「Saytone Bore Up」と呼ばれるスタンダード品から巻き数を増やしたハムバッカーが搭載されています。巻き数を増やしたと言ってもヴィンテージ志向の範囲で抵抗値は8.5kΩ程度。それなりといったところ。音の特徴は中低音にかなり寄っており、抵抗値の組み合わせから考えてブラウンサウンドをやってください、といった印象です。一方、S-622CSのフロントとセンターは音が明るく、鋭く、クリアーな音色が特徴で、この組み合わせですとリアハムが抜けてこないような印象になりやすかったです。

 私のエフェクターの構成がローゲインから中くらいぐらいのゲインの物がほとんどで、ハイゲインを得意としているものが少ない状態です。また、ハイゲインの物もトーンで微調整というものがほとんどでした。この状態ですと、パワーが今一歩足りずに歪み切らなかったり、中低音が強くてモーモー鳴ったり、高音成分が足りなくて抜けてこないといった状態となりました。中音域だけ歪んで、高音域が歪み切らず、ギャリっとした音が全然出なかったんですよね……。

 ブリッジのコマのイモネジを交換してみたり、PU高さを調整してみたりと色々工夫をしてみましたが、高音域がマスクされている感じが好みに合わない状態が続いていました。

 だったらいっそハイパワーな奴に替えて、そこから考えよう、というのが今回の交換に至った経緯です。

Suhr Aldrich ハムバッカーのスペックおさらい

★Aldrich ブリッジ  DC抵抗値:17.5kΩ
 マグネット:アルニコV
 バリエーション:カバード/ノンカバード、50mm/53mm各種あり

Suhr Aldrichのハムバッカーを選んだ理由

 候補は色々と考えられますが、交換前の私は「一回、極端に振ろう!」という頭でした。また、ギター本体もカリッとした成分が控えめで太い鳴りであり、「SSHのリアハムに太くて甘くて、よく歪む!」というピックアップを載せると、やはり甘くなりすぎるのでは?と予想していました。

 超評価の高いSuhrに興味があったこともあって、選択肢をSuhrに絞りました。理由は「どれを選んでも間違いないだろう。もし使えないと思っても自分のセッティングが悪いだけと断言できる。」と考えたからです。

 というわけで、Suhrの中で最もパワーのあるAldrichを選びました。購入前はちょっとネタ的に最強品選ぶかって感じでしたが、レビューを見る限りかなり完成度が高そうだということで安心して購入しました。

Aldrichハムバッカーの他のレビューを参考に感想を比較

 先に書いた通り、Aldrichを購入する前にネットやSNSのレビューを参考にしました。酷評は無かったものの心配点もありました。というわけで、見かけたレビューと私の印象を比べながら紹介します。

・音のバランスが良い
 音のバランスといっても求めるものは人それぞれで、太く甘いリアハムを求める人も居ますというか、SSHスタイルの場合はそっちの方が多そう。Aldrichの感想としては、低音はグッと強めだけど超低音は控えめ、中音域は太さを感じる程度にしっかりと出ていています。(これはボディーの鳴りの特徴もトータルしての印象です。)高音域はそれなり。シャキッと芯のある感じはあります。オープンコードをバーンと弾いて、全体的に音が出ているのを感じるので、バランスが良いという感想は多くの人にとって受け入れられるものではないでしょうか?

・レスポールみたいな中音がっつりのボディーに合いそう
 確かにそう思う。ハイパワー系PUだと中低音が強いものが多いので、中音域の強いマホボディーだと高音域が抜けてこないかもだけど、Aldrichは高音域が程よくあって、芯がある感じがマッチしそうな予想が立ちます。一方、アルダーやバスウッドボディーだと(超)低音域すっきりでバランス型に。アッシュボディーのリジッドマウントだと音がより鋭くなるかも。

・音がデカくてフロントとの音量差が!
 歪みを挟まずにクリーンだと、リアハムだけ音がマジでデカい。フロントもAldrichとかにしない限りはこれは解消できないと思います。ただ、SSHスタイルストラトで、リアのクリーンとか使う?というのが個人的な考えで、しかもS-622CSはフロントクリーンがクリアなので、そこでバッキングとかすればよい。ということで歪みを挟むと、フロントはゲインが低くてクリーンから滲むくらいに歪んだ状態にし、リアに切り替えるとちょい中音域を持ち上げたブースターを踏んだみたいなバランスになって気持ち良いです。歪むことでコンプレッションがかかり、音量差が小さくなります。(無くなりはしません。)JC+TS-9でフロントが滲むくらいというのが個人的に最近の好みですが、このままリアに移行すると渋めのリードが弾けるぐらいのバランスとなります。

・音が硬い
 思ったほど硬くなかったです。芯を感じる程度。自分がすっきり系を求めていたことと、これはS-622CSがアルダーボディーのピックアップマウントだったから、硬いとは思わなかったのかも。ハイゲインサウンドで巻弦のジョリジョリが目立ちやすい感じはありますが、ギターやエフェクターのトーンでなんとかなる範囲です。TS-9だと、このジョリジョリがキレに繋がって良い感じです。

それ以外の感想

 自分の感想を誤解を恐れずに言えば「ヴィンテージスタイルのハムバッカーのテイストを残しつつ太めのサウンドにして超高出力にした感じ」っていうイメージです。TS-9の歪み(≠ブースター)にハムバッカーって悪くないけどベストマッチでもないと思っているのですが、これはなかなかいけます。割とすっきりとしているところなのか、芯のある感じがマッチするのかと思っています。

 ハイゲインサウンドにしても芯があり、モワモワ感がないところが好みです。超ハイパワーなので、思った分だけしっかり歪んでくれて、エフェクターのゲインノブを上げればきっちりと歪みます。歪みが頭打ちっていうのは今のところないです。

 最後に嬉しい誤算だったのが、タップサウンドが結構良い。「ほんとにシングルっぽい!」とまでは言いません(構造が全然違うので同じにならない)が、こちらにも芯があってギャリっと感があって、最低限にパワーもあります。シリアル(ハムバッカー)状態のサウンドの出力を下げて、高音にかけての抜けを強調した感じ。17.5kΩの半分=8.75kΩって、そこそこパワフルなシングル並みですから、出力はFenderシングル構造>ハムバッカー構造であることを考慮してもシングルの7kΩ相当ぐらいは出力が出ているのでは?

その後の展開でシングルにSuhr V63+を組み合わせた

 詳しくは別にレビューしていますが、シングルコイルに比較的ハイパワーなSuhr V63+を組み合わせました。Suhr Aldrichの完成度が高かったことと、V63+は超定番で外れないだろうという考えに、比較的パワーが強くて、V63+にAldrichの組み合わせのモデルが(別注ですが)存在することが決め手となりました。その結果、非常にバランスが良くなりました。

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