日本での知名度は低めなREVV AmplificationのドライブペダルであるG2 V2を購入しました。REVVはハイゲイン&メタル向けのG3で人気を集めて、欧米での知名度を高めたブランドで、日本でも5~6年前には話題になりましたが、最近はあまり話題に上がらないですね。
G2はローゲイン系オーバードライブペダルです。V2はVersion 2を意味します。レビューをまとめますと、ローゲインで3バンドEQが付いていて、ゲインの幅が広く、マーシャルJCM800系のバリッとした歪みで気持ちよく、クリーンからハードロックまで対応できる点が魅力です。

REVV Amp G2 V2を買ったきっかけ
REVV G2を買ったきっかけは、ローゲインに強くて、ゲインの幅がそこそこ広く、3バンドEQまで付いていて便利だと思ったからです。このREVVアンプのGシリーズは、実際のギターアンプのプリアンプ部分を元としたモデルです。そういったプリアンプ、アンプ・イン・ボックス的なペダルは好きなのですが、ローゲイン系で持っていなかった(ローゲイン系は普通のODが多い)と思い、興味を持ちました。
REVV Amp G2 V2の特徴
REVV Amplificationはカナダのアンプメーカーで、歴史は浅いもののYoutubeなどで使われているのをそこそこ見かけるほど人気があります。そして、このGシリーズのペダルは、REVVアンプのG120というフラッグシップモデルの各チャンネルをベースにしています。
REVVアンプの知名度がまだ低い頃に、最初にG3というクランチからハイゲインを担当するチャンネルを模したペダルを発売して大ヒットし、REVVアンプの人気を高めるきっかけとなりました。G3が元にしているパープルチャンネルは、クラシックロックからメタルまで対応できるモデルになっています。その後、ローゲインなグリーンチャンネルを元にしたG2と、よりハイゲインですっきりとしつつゲインも高めたレッドチャンネルを元にしたG4が発売されています。
どのモデルも、ゲインとボリュームに3バンドEQの5ノブ構成に、ゲインと低音の感触が変化するモード切替スイッチ(3ポジション)が付いています。アンプのプリアンプを元にしているだけあって、操作感は迷うことは無いと思われます。
今回購入したのは正確にはアニバーサリーモデルで、このアニバーサリーを機に回路に見直しが入り、従来よりも高音域が立って、アンプっぽい反応感や立ち上がりの速いサウンドに更新されたようです。この回路はV2となっており、V2モデルと書いてあれば新しい方です。書いていないモデルは今回レビューするものよりも柔らかいサウンドになっている可能性があります。
REVV Amp G2 V2の良いところのレビュー
基本は、EQフラットなら味付け薄目で歪み感を足してくれるオーバードライブです。
スイッチを、ゲインが最も低いOFFポジションとして、ゲイン2時、各EQを12時にしてストラトのフロントシングルとかで弾くと、パリッとして鋭く、煌びやかで抜けてくる音が出てくれます。G2は基本的に、鋭く、煌びやかな傾向です。OFFポジション+EQとゲイン12時でストラトのフロントで弾くと僅かに歪み、原音とほぼ同じようなバランスの後ろに、ミッドやローが歪んで「グォッ」という厚みが足されるような音になります。ハムを繋ぐとそれなりに歪みます。
EQは、ちょうど良いぐらいに良く効きます。ゼロに絞っても音は出る程度に抑えつつ、しっかりと効いているのを実感できる効きの強さです。この塩梅が良いです。
対応できるゲインの幅が思ったよりも広く、ポジションOFFのままゲインを上げると気持ちの良いODサウンドになってくれます。ポジションを最もゲインが高いREDでゲインを最高まで上げてハムバッカーを組み合わせると、ハードロックまで十分に対応できます。スイッチを切り替えるとゲインが上がりつつ、ミッドやローも厚くなります。
また、それなりのローゲイン設定にしておいて、前段にODを置いてプッシュすると良い感じにゲインが上がってくれます。ゲインを高めにしてボリュームを少し絞るとゲインも下がってくれる感触があります。スタックやボリュームへの反応もアンプっぽいですね。コンプレッション感も控えめで、ニュアンスが出てくれる感じや、過剰にサスティーンが伸びる感じも無くてあっさりで、このあたりもアンプっぽいです。
全般として、歪みの質はマーシャルのJCM800あたりのパリパリっとジャリっとした感じで、TREBLEを上げて鋭さを演出して、BASSも少し持ち上げて迫力を出すとそれっぽくなると思います。ゲインを下げた際の鋭く軽やかな感じも、マーシャルっぽいクランチで心地よいです。TREBLE上げめ、MID、BASSを絞り気味でVOXっぽいサウンドにも近づきます。
BASSやMIDを上げた状態で歪ませると、音程にならないような迫力を演出するような「ぐぉぉぉー」っと響くような音が持ち上がってきます。

見た目や作りに関しては、ノブの質感やスイッチのタッチが良く、購入したアニバーサリーモデルの外観も質感も良好です。以前のモデルはもっとツルツルの質感で好みではなく、個人的にアニバーサリー&V2は好印象です。
REVV Amp G2 V2の注意すべきところ
ゲイン高い方への変化幅はすごく広いのですが、最もゲインが低い状態にしても完全にクリーンにならず、ちょっと歪みます。シングルコイルならアンサンブルではクリーンに聴こえるぐらいの歪み量で、クリーンとして扱ってよいと思いますが、クリーンとは言い難いです。
ゲインそれなり(ブルースとかに適したクランチぐらい)で、BASSとMIDを上げると、上に書いた「ぐぉぉぉー」が過剰になって、音が潰れてきて、歪みの感じも鋭さが減り、ぐしゃっとしたサウンドになります。歪みセクションがEQの後ろに(あるいは後ろにも)あるのでしょうか。EQの効きは良いものの、この潰れがあるのでゲインを上げた状態だと、EQの使える範囲は意外と狭いです。アンプっぽいと言えばアンプっぽいし、元ネタがそうなのであれば良しとしましょう。また、鋭さのある歪みの質感はTREBLEを絞っても残り、クリーミーなODサウンドにはなりません。以上、扱いに注意が必要な点はあるものの、歪みの質が良いので悪いペダルとは思いません。
ゲインを上げると基本はミッドが出たハードロックサウンドになってきます。MIDを絞ってもズクズクとしたメタル系にはなりません。そういうのはG3やG4でやってねということなのでしょう。
コンプレッション感が控えめで、TSを繋いだような「良い感じに潰れて音が繋がる」感触が乏しく、弾いていてちょっと手強さがあります。これは良さでもあります。ここが良い!という人もいるでしょうし、自分も好みと思う点がこのコンプレッション感の少なさに起因しているかもしれないので、評価は難しいところ。コンプレッション感が欲しければTSを前段に置けばOK。
REVV Amp G2のレビューまとめ。高評価です。
かなり器用で対応幅が広く、これひとつ持って行けばそこそこ対応できる懐の深さと、歪みの質の良さが魅力で高評価。アンプメーカーの作る歪みは良いです。ローゲイン系で3バンドEQが付いたアンプ系ペダルって意外と少ないかも?と思うので、そういう観点でもお勧めです。一点だけ注文を付けると、ここまで器用ならば、完全なクリーンまで落ちてくれると更に良かった。
ローゲインかつあっさり系だと仕方がない部分はありますが、弾いていて感動を覚えるような「これでなくては!!!!」感が乏しいとも感じます。それに対して、日本だと5万円に迫る価格であり、カナダの直販から買っても送料込みで4万円に近い価格ですので、高いと感じても不思議はないです。また、ローゲインも良いのですが、ゲインが高い方が得意な印象で、これならG3が良かったかな?と思ったりもします。(とはいえ、友達とポップス曲をやるときの基本の音を作るために買ったという背景があるので満足しています。)
もうひとつ、切り替えスイッチによってサウンドが変わると言えば変わるけど、劇的には変わらず補正程度です。欲を言えば、思い切って2モードだけにして、JHSのモーニンググローリーのようにフットスイッチを繋いで切り替えとかできると嬉しいところですが、そういうのはG3やG4買って切り替えてねということなのでしょう。