Phantom EVR Bleu ODとCliffsを買いました。ボリュームへの追従性、古い機材の生き物っぽさみたいなものを感じさせる独特なサウンドやサウンドの手触りが特徴です。良いなと思うところが多いものの、扱いが難しく、出音とフレーズを結び付ける力が無いと、何を弾けば良いか分からなくなりそうだと感じました。

Phantom EVRの2つのペダルを買ったきっかけ
2025年にLeqtiqueがLeqtique EVRとなって復活し、Phantom FXも以前よりも活動が活発になっていました。元々、LeqtiqueとPhantom FX、これらの取り扱い店であるPedal shop CULTは仲が良く、久しぶりに集まって「いっしょにやろう」となったそうな。
私は以前からLeqtiqueが好きで、ここ最近、CULTの取り扱う商品やPhantom FXが好きになってきており、かつてのコラボペダルが入手難となっていることを考えると「買えるなら買っておこうか…」と思い切って買ってみました。
Phantom EVR Bleu ODとCliffsのコンセプト
Phantom EVR Bleu ODとCliffsの基本設計は共通しており、Bleu ODはディスクリートによる2段増幅、Cliffsは4弾増幅となっています(もちろん、フィルターなどの定数は異なるはず)。段数が異なるという発想は真空管アンプでも良く見られて、クリーンチャンネルの状態からチャンネル切り替えで1段、あるいは2弾追加されてゲインが増す、というものがあります。
Bleu ODはオーバードライブに分類されていて、Cliffsはディストーションからファズのキャラクターを持っています。先に述べた通り、基本構成が同じとなっており、Bleu ODとCliffsは組み合わせて使用することを想定して設計されているそうです。
全般的な感想を述べますと、レビューなどで「使いやすくて、ずっとオンで使える」というものが見られますが、個人的に「扱いが難しい。出音とフレーズを結び付ける力が無いと、何を弾けば良いか分からなくなりそう。」と感じました。
Phantom EVR Bleu OD
ボリューム・トーン・ゲイン+ローカットという、比較的分かりやすい操作系です。ケースバックを空けるとミッドカットのトリマーが付いています。
そのまま(ミッドカット無し)の状態で弾くと使いづらく、Phantom FXの戸高さんが推奨する11時ぐらいに設定して弾いてみました。
ゲインを上げてもあまり歪まず、歪みの質もバサバサと「何かが調子悪くて歪んじゃった」みたいな偶発性のある感じがします。悪く言っているのではなくて、これがどこか古い(そしてしょぼい)ラジオから聞こえてくる良い音とか、古い機材の生き物っぽさみたいなものを感じさせます。何を言っているか分からないと思いますが、モダンなエフェクターの「整った音」とは真逆の方向性です。
少し弾くと、ミッドが非常に強く、フレーズが太くなるのを感じます。ハイとローが控えめなのもあって、低めのミッド(人の声ぐらいの帯域かな?)がポコッと持ち上がっている感じです。これが先の「古い機材の良い音」を思い起こさせました。歪み自体は活用せずに、ブースターか、プリアンプ的に使うのが良いと感じます。
特に面白いと感じたのは、ちょいゲインを上げておいて、ギターボリュームを絞ってクリーンにした時に、哀愁のある、ハイファイじゃないのに「やたら良い音」が飛び出してくることです。これでジャズを弾くのがとても面白い。
Phantom EVR Cliffsのレビュー
こちらは結構分かりやすく、ディストーションとされていますが、どちらかというとファズの領域です。基本設計が同じだけあって、古い機材っぽさがありつつ、ローからミッドにかけて持ち上がって、倍音の多い歪みで満たされる感じに鳴ります。
ファズを良く使う人にとっては、Cliffsはかなり扱いやすいのではないかな?と思いますし、その魅力も良く理解できるのではないか?と思います。厚みがあるのに鋭さがあるというのが良いです。似ているとは思わないのですが、ファズのジャンルの中でどこに放り込めば近いか?という大雑把な考えを述べると「ビッグマフに入れておくのがよいのか?」と感じました。
Phantom EVR Bleu ODとCliffsを組み合わせる
設計思想が「組み合わせて使うこと」であるのが良く分かるマッチングで、荒さのあるCliffsをBleu ODでプッシュすることで、マイルドで、さらに倍音が多く、クリーミーで押し出しの強いサウンドになります。
これはギルモアサウンドや、エリック・ジョンソンの「cliffs of dover」(Cliffsの名前はここからきている)の有名なリフを思い起こさせます。
ここから特筆すべきはボリュームに対する追従性で、スッと歪みが収まり、クランチからクリーンになってゆきます。
基本はミッドの強いファズサウンドであり、ギルモアやエリック・ジョンソンのリフを弾けるような感じでないと「こういうのが良いのだよ!」みたいなフレーズが出てこず、使いこなせていないというのが自分の状態です。最初に書いた「出音とフレーズを結び付ける力が無いと、何を弾けば良いか分からなくなりそう。」という状態ですね。もう少し弾きこんで、向き合ってみたいと思います。

