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今更、JOYO Sweet Baby Overdriveを再評価する[レビュー]

中華メーカーのJOYOによるMad Professor Sweet Honey ODのコピー(パクリ)モデル「Sweet Baby Overdrive」のレビューです。ピッキングニュアンスが出るSweet Honey ODの特徴をしっかりと引き継いでおり、2012年あたりでは「3000円台で買えてしまうなんて!」と大きな話題になりました。「これからは中華ペダルに注目すべきかもしれない!」という流れを作ったエポックメイキングなペダルだったと私は思っています。2026年現在は6000円弱となっており、低価格なライバルがたくさん販売されていますが、現在でも魅力的なのか?というのが、今回の注目点となります。

JOYO Sweet Baby Overdriveって結局何だったのか

 JOYO Sweet Baby Overdriveは、中華メーカーのJOYOによるMad Professor Sweet Honey ODのコピー(パクリ)モデルとして 登場しました。Sweet Baby Overdriveの正確な発売年は掴み切れませんでしたが、2013年ごろのレビュー動画や、2012年4月にマルハチさんがレビューをしていたりと、発売から10年以上、もうすぐ15年になるモデルとなります。パクリモデルとしては長生きモデルです。(というか、JOYOは初期のモデルも継続販売している印象です。)

 Mad Professor Sweet Honey ODは、ピッキングニュアンスに反応し、柔らかくスウィートな音が特徴とされるBJFEのHoney Bee ODをベースとして、もう少しすっきりと再チューニングし、外装もプリント(Honey Beeはハンドペイント)にして生産しやすくして、別ブランドから発売したものです。Sweet HoneyはBJFEが直接監修していたので、一応直系モデルです。

 Sweet HoneyはHoney Beeのピッキングへの反応の良さを引き継いでおり、そこが高く評価されていました。2012年頃、Honey Beeが5万円クラスで入手難であったのに対して、Sweet Honeyは2万円台で購入しやすく、人気が出ました。

 そこに現れたのがSweet Baby Overdriveです。登場当初、3000円台で買える価格破壊として超話題になりました。JOYOあたりの登場が「中華エフェクタ―って、なんか安くてすごいかもしれない」という最初の衝撃であったと記憶しています。

JOYO Sweet Baby Overdriveを今更レビューする

 2026年現在では、中華メーカーは増え、日本(欧米)が企画して有力な中国の工場を活用して生産させた低価格ラインが増えました。さらに、デジタルエフェクターの性能が爆上り。Valetone GP-5のような「高いレベルで使える、オリジナリティーのある中国ブランド」まで増えています。

 そんな中で、JOYO Sweet Baby Overdriveは6000円程度まで値上がりしており、それでも魅力的に映るのか?ということが、今回のレビューの目的です。

個人的にお勧めの使い方は『プリアンプ的に使う』

 早速ですがおすすめの使い方を述べましょう。それは…

『Sweet Baby Overdriveをローゲインなプリアンプ的に使う』

です。ローゲインで使うにも3通りあって『ゲインを下げておく』、『少しゲインを上げつつ、ギターボリュームを絞る』、『ゲインそこそこで弱く弾く』というイメージです。最もおすすめは『少しゲインを上げつつギターボリュームを絞り、弱く弾けばクリーン、強く弾けば歪むサウンド』に調整することです。

 FOCUSとゲイン12時設定にしてONにすると、ローが少し抑えられてミッドに集まる印象になります。ゲイン低めでもコンプレッションが効いて、単音が太く、丸くなり、ピークが抑えられつつサスティーンが伸びて弾きやすくなります。ミッドに集まって丸くなる感じの調整が素晴らしく(いや、素晴らしいのはSweet Honey ODの調整ですが…)、一聴して「良い音!」と感動が有ります。

 ノーマルなTS-9とかでも同様の「ミッドに集まって丸い音」は出せますが、ゲインとトーンを結構絞る運用が必要です。一方、Sweet Babyは12時設定で丸く使いやすい音が出てくるので、分かりやすいのです。

 FOCUSはミッド、ハイミッドの持ち上がりのポイントを調整するノブで、絞るとハイミッドが抑え気味になり、歪みの鋭さが収まってクリーミーになります。上げるとローミッドが締まり、ハイミッドが立ってきてバリバリとディストーションに近づきます。プリアンプとして使うなら、FOCUSとゲインは思い切って絞って、9時ぐらいにしてやると、ジャジーで丸く、太く、温かみのあるサウンドになります。このバランス感覚が良く、テレキャス、ストラト、レスポール、335等の箱物などの各フロントPUのサウンドを上手くまとめてくれます。これがびっくりするぐらい汎用性が高い。アンプ側も対応幅が広く、JC-120に温かみや太さ、コンプレッションを足す用途に適しています。

 また、Sweet Honey ODで評価の高かった、ピッキングニュアンスに対する反応の良さも引き継いでおり、ゲインとギターボリューム、ピッキングの強さを調整すると、太くてクリーミーなクリーンから、少し「バリッ」とした成分を含むサウンドに手元だけで変化を加えられます。めちゃくちゃ楽しい。

ゲインとFOCUSを上げると意外とディストーションライク

 ゲインを上げると歪み量が増しますが、ここで重要なのがFOCUSです。FOCUSは歪みの鋭さの感じ方に効いてくるハイミッドを弄るので、ゲインを上げてもFOCUSを絞ると歪みが大人しく感じます。一方、FOCUSを上げるとローミッドが少し抑えられ、ハイミッドが持ち上がって鋭さが立ってきて、ディストーションっぽくなってきます。

 歪みの質は荒く、バリバリとした成分があります。似ているとは言いませんが、歪みの質だけで比較するとRAT系を思い出しました。FOCUSを上げた時のローミッドの軽やかさもRATを思い出した理由かも。

安ペダルでも定番なTS系と比べるとどうか?

 Sweet Baby OverdriveをONにするとローが少し抑えられると書きましたが、収まり方が穏やかで、もたつきの原因となる重いローが減る印象です。プレーン弦の細く、ペチペチした感じが丸くなり、音の周りに倍音がまとわりつく感じになって、太くなってくれます。

 一般的な(ノーマルをそのままコピーした)TS系ですと、ローがもう少し減り、乾いてすっきりした方向になりやすいです。トーンを絞ってもローの少なさはそれほど変わりません。ほぼクリーンで楽しむとして、低音が強いギターやアンプと組み合わせると良いですが、小サイズなローが少ないアンプだと軽くなりやすい。また、鋭い歪みの質感が出やすく、マイルドで甘いサウンドを出すには少しコツが必要です。

 TS系とSweet Baby Overdriveで、どちらが優れているかは断言すべきではない(両方素晴らしい)ですが、クリーンアンプの細い感じをマイルドにして、柔らかく、暖かで、ちょっとだけ歪んだ太い音を簡単に出したいなら、Sweet Baby Overdriveは良い選択です。

2026年にJOYO Sweet Baby Overdriveを再評価した結果

 未だに第一線級の魅力のあるペダルです。もちろん、Sweet Baby Overdriveが優れているのではなく、元ネタのSweet Honey ODが優れていて、それをパクっているだけなことは認識すべきですが…。

「パクリペダルをお勧めするということをしたくないなぁ」という迷いというか葛藤は、どこまで行っても拭えないのですが、純粋にペダルとして魅力的かどうか?を考えれば、「魅力的」という評価になりそうです。私は本家を買い足そうと目論んでいます。

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