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さっさと買えばよかったと後悔するほど気に入ったMAXON SD9[レビュー]

フュージョン系ギタリストの定番であるMAXON「SD9」のレビューです。太く、スムースで、コンプレッションが効き、サスティーンが伸びるフュージョン系のリードサウンドが出しやすく、出したいと思っていた「あの音」を出すことが出来ます。MOD品や、SD9ベースのシグネチャーペダルも多いですが、ノーマルのSD9を買って試してからで良いのではないか?と感じるほど、完成度が高いです。

2024年ごろから再注目されてきたMAXON SD9

 超名作Ibanez TS-9(MAXON OD9)に対して注目度が高くなかったMAXON SD9。TS-9は多くのギタリストが使用していますが、SD9はマイケル・ランドウやスコット・ヘンダーソンといった「知る人ぞ知るギタリスト」ぐらいしか使用例がなく、そのジャンルを弾く人ぐらいしか注目していない状況でした。

 2024年ごろからフュージョン系というか、マイケル・ランドウやスコット・ヘンダーソン自体が注目されたり、両ギタリストをリスペクトするギタリストがYoutube上で発信したり、SD9をベースにスコット・ヘンダーソンが監修したペダルが発売されていたり、マイケル・ランドウのシグネチャーペダルが発売されたり、SD9ベースの改造ペダルが発売されたりしてきました。たぶん、すべてが連動して大きなうねりになった印象です。

 自分は元々、スコット・ヘンダーソンとか、日本のフュージョン系ミュージック(レースゲームのBGM)が好きだったのですが、そういった音作りができておらず、どうしたらよいか?と考えている中でSD9に注目したのです。

何かと「使いづらいのでMOD」という文脈に置かれやすいSD9

 SD9のトーンは独特で、シングルコイルと組み合わせるなら絞り切りから僅かに上げる、ハムバッカーと組み合わせてトーンを上げても9時ぐらいまでとされています。もっと上げるとジャリジャリで使いづらい。SD9を愛用しているギタリスト全員がそう言いますし、その点を改良したMODモデルも多く販売されています。ですので、どうせなら最良のものを選びたいと考えるタイプの私は「SD9買うなら、どこのMODが良いだろうか?」と考えていました。

 ただ、スコット・ヘンダーソン本人も長年にわたって「普通の、ほぼ現行SD9」を使い続けていたので、とりあえず買ってみようとMAXON SD9(現行品)を購入することにしました。

基本サウンドは『ローに厚みのあるオーバードライブ/ディストーション』

 クリーンなアンプを前提として考えた時、TS-9やOD9は、ローがカットされて軽やかになり、抜けの良さが生まれてきます。しかし、サウンドのメインを張るギタリストのサウンドを支えるにはローが軽く、存在感が弱めに感じやすくなります。単体の歪としては、ほぼクリーンなアンプにTS-9ではリード(複雑なレガートフレーズなど)を弾くにはサスティーンやコンプレッション感が足りない印象です。歪んだアンプにTS-9なら、元々ローが出ているアンプのローのもたつきを整理し、歪みに厚みが出て文句ないですが…。

 SD9はこれに対して、しっかりとしたローが残ります。残りますというか盛られます。すると、リードサウンドに厚みや存在感、主張が出てきます。ゲインが高いため、全開まで上げなくてもレガートフレーズにマッチした「喰い付き」があり、弾きやすいです。先に書いた通り、トーンを絞り気味で運用すると、歪みのエッジ感が丸まり、ディストーションとオーバードライブの中間のようなサウンドとなります。

シングルでもハムバッカーでも、なんでもフュージョンサウンドになる

 ネックPUがシングルだろうがハムバッカーだろうが、ゲイン11時から2時ぐらい(音抜けを考えると、8~10時程度に抑えておくのが望ましい)にして、トーンを9時より絞る程度に抑えておけば、太く、スムースで、コンプレッションが効き、サスティーンが伸びるフュージョン系のリードサウンドになります。前段に軽いブースターを配置するのもおすすめ。スコット・ヘンダーソンは、SD9の前にRC Boosterを配置しているらしい。

 アンプは、SD9単体でJC-120に繋ぐと、やや歪みの荒っぽさが目立つ印象で、アンプ側のトーン設定を少し工夫したいところ。あるいは、SD9の後ろにプリアンプ的な何かを配置したいです。真空管アンプであれば、歪むかどうかのギリギリぐらいに設定しておいて、僅かにSD9でプッシュし、歪みの質を丸くまとめるのが良いと思います。

意外に対応幅が広くて使いやすい

 ネックPUとの組み合わせが最高に気に入っているのですが、ブリッジシングル、ブリッジハムバッカーとの相性も良いです。もう少しディストーションライクになり、バリバリ、ジャリジャリとロックな印象が強くなります。面白いのは、ネックPU用に設定した状態でブリッジPUに切り替えても成立する点です。

 こういうペダルを考えてみますと…
 TS-9はネックシングルとの相性が良く、それ以外は限定的というか工夫が必要で、ODの枠を超えない。SD-1、特にSD-1Wは、ハムとシングルの両方にマッチするが、こちらもODの枠を超えない。また、基本はジャリっとした鋭さのあるサウンド。これはこれで良いのですが…。

 RATはフィルター設定を工夫してフュージョンでの使用事例もあるが、「それ専用」の設定になってしまう。DS-1はもっとカリッとしていて趣が違う。

 と、意外と難しいのです。さらに、MAXON SD9が安価で入手性良く販売されていることを考えると、長年、フュージョン系で定番となっていた理由が分かります。

MOD品を狙わずに、さっさと買っておけばよかった!と後悔しています

 ここまでで書いた通り、フュージョン系のスムースでサスティーンのあるサウンドが一発で出てくる点から、わざわざ高価なMOD品を買わなくても、魅力は十分に理解できると感じました。

 MOD品やシグネチャーペダルは、SD9を使い込んだ名手や工房がSD9の不満を解消するように改良しているので、そりゃ良いです。ただ、SD9のまま少しだけ改良だと商品性が乏しく、サウンドを結構変えている物も多いです(そりゃそうだ)。

 ですので、MOD品はかなり良いことは認めつつ、SD9そのものを理解する、楽しむのであれば、MAXON SD9現行品を買うことには価値があります。自分は、こんなにも出したいと思っていたサウンドが出るのか!!と感動しており、さっさと買っておけばよかったと、若干後悔しています。

MAXON SD9を大変気に入っており、大満足です。

 名だたる名手が長年愛用してきただけあって、奥が深く、まだまだ私は使いこなせていません。ですが、一番わかりやすい、フュージョン系の太く、スムースで、コンプレッションが効き、サスティーンが伸びるフュージョン系のリードサウンドを出しやすく、買ってよかったと満足しています。

 明確な弱点を指摘されてMODされまくっていますが、ベースとなる回路(サウンド)が優秀であるから名手に使われてMODされているとも言えるので、ノーマルのSD9にトライして、その良さを体験も良いのではないでしょうか? MOD品は、使い込んだ後に検討しても遅くないでしょう。

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