アンディ―・ティモンズが所有していて、ボードにもたまに登場するXotic RC Boosterに興味を持ち、現行のXotic RC Booster Classicを購入しました。皆さんが見覚えがあるのが、初期のスイッチ1つのタイプと、メッキ筐体の2スイッチ仕様でしょうが、こちらは2022年に登場した1スイッチタイプをリイシューしたRC Booster Classicです。

アンディ―・ティモンズは「ちょっとブルースっぽくするときに使う」と述べており、どんな効果があるのか?についてレビューしたいと思います。
Xotic RC Boosterの歴史
Xoticは2002年にAC BoosterとRC Boosterを発売し、2005年にはBB Preampをラインナップに追加しています。この3モデルは、共通する4ノブの操作系と2バンドEQを備えながら、それぞれ異なるサウンドを狙った製品となっています。
- AC Booster(2002年):クリーンブーストからオーバードライブまで対応するモデル。RC Boosterとは基本的な回路構成に共通点が多いが、より積極的な歪みを得意とする。
- RC Booster(2002年):原音のキャラクターを活かしたクリーンブーストを主眼とするモデル。音量の増幅に加え、TrebleとBassによる音色調整が可能。
- BB Preamp(2005年):Tube Screamer系の回路をベースとしながら、増幅段と2バンドEQを追加するなど独自に発展させたモデル。クリーンブーストから本格的なオーバードライブまで幅広いゲインレンジを持つ。
開発者の佐々木清氏によれば、もともと開発したかったのはAC Boosterであり、RC Boosterはそこから派生する形で誕生したとのこと。しかし、RC Boosterは多くのギタリストから支持され、Xoticを代表する定番モデルへと成長していきました。
調べてみて、BB Preampが実は結構違う系統であることに驚きました。
RC Boosterの変遷とClassicの登場
RC Boosterは発売後も改良が続けられ、特にスコット・ヘンダーソンの要望を取り入れた2008年の仕様変更が大きな転機となっています。初期型は比較的メロウで、低域の押し出しを抑え、ゲイン感も控えめ。一方、スコット・ヘンダーソン仕様では低域の厚みとゲイン感が強化され、より積極的に音作りに活用できるモデルとなりました。
その後、2015年には2つのフットスイッチでゲインを切り替えられるスコット・ヘンダーソンモデルが登場。2016年には、その設計を受け継いだRC Booster V2が発売され、従来の1スイッチ仕様に代わる標準モデルとなりました。
そして2022年、発売20周年を記念してRC Booster Classic(以下ではRC CL)が登場します。これが今回のレビュー対象モデル。
RC CLは初期型のサウンドへの原点回帰をコンセプトとしているものの、当時の回路をそのまま再現した製品ではないことがポイントです。現代のパーツを用いて回路を再検討し、新たに18V駆動にも対応しています。さらに、Xoticの20周年特設ページに掲載された比較評価では、初期型のメロウなキャラクターを再現しつつ、後期モデルで強化された低域の厚みも取り込んだサウンドとのこと。
RC Booster Classicのレビュー

RC Booster Classicをサウンドを整える基礎エフェクターとして使う
RC CLは積極的に歪むペダルではないですし、適当にセットして軽く弾くと「おっ、ちょっと煌びやかで旨味がある」と感じます。トレブルを絞り気味にしてキツさを抑えたJC-120などに繋ぐと、ストラトにマッチしそうなプレーン弦のキラキラ感が立ってきて、バッキングやクリーンなソロにマッチしてくれます。
鋭いとか分離感とか、そういうモダン系の味付けとはことなり、良い真空管アンプの持つテイストをちょっと加えるようなサウンドで、どうにもセッティングが決まらないアンプの音を自分好みのサウンドに整えるのに重宝します。使いやすい。あえて例えるなら(設定にもよりますが)ブラックフェイス以降のFender DeluxeやTwin系のようにも感じます。
ブースターとして使う
TS系をプッシュする使い方だと、元々の回路の出身が近いためか、あまり相性が良くないです。一方、SD9とか、JHS AT+(アングリーチャーリー)系統では、TREBLEやBASSを調整しつつプッシュできるので、ゲインを高めつつ好みのサウンドに寄せやすい。
スコヘンの要望に応えた低音域のアップが効いているのか、BASSを絞ってもスカスカしにくく、後段の歪みが持ち上がって粘りが出て、ソロフレーズを弾きやすくなります。単体は歪まないブースターなので、ギター側のボリュームで後段のドライブペダルへの入力を調整でき、後段がボリュームに追従するペダルならば、クランチなどに落としやすい。スコヘンが長年MAXON SD9とセットで使ってきたのが良く分かりますね。
軽く歪んだアンプとの相性も良く、ノーマルなTS9では弄れないBASS領域や、TREBLEを単独で調整できる点は、便利さや音作りの幅を提供してくれます。
ドライブペダルとしては物足りない
RC CLはクリッピングダイオードが削除されているとされており、ゲインを上げることでオペアンプの飽和領域に入って歪みが生まれます。ただ、それを積極的に使うような味付けになっていないためか、ゲインを上げてもあまり歪まず、クリーンなアンプにRC CLを歪ませて組み合わせると、バサバサとした質感です。フェンダーアンプっぽいという評判もあり、たしかにそうかなと思うところもありますが、後段のアンプの良し悪しによって聴こえ方がかなり変わります。(汚いバサバサ感が強調されたり)
わずかに歪んだアンプに対して、わずかに歪んだRC CLでプッシュするような使い方をすると、歪み感が足されるのと同時にアンプ側でも歪んで、複雑で魅力的な歪みとなります。Youtubeなどのレビュー動画で良い感じに歪ませているのは、こういった使い方が主なんだなと、所有して感じました。なので、動画を見て「めっちゃいい感じに歪む!」と考えると、肩透かしを食らいます。
でも、この「単体では歪み控えめで、アンプの歪と絡ませて」というのはXotic全般の特徴なので、そこは理解する必要がありそう。
Xotic RC Booster Classicのレビューまとめ
クリーンなアンプにクリーンな設定のRC CLを組み合わせ、ギターアンプの美味しいところを引き出すようなイコライジングとして重宝します。ブースターとしても長年愛されているだけあってかなり使いやすい。単体での歪みは用途次第で、そこに重点を置いて買わないようにすることは注意しましょう。
サウンド面や使い勝手について文句をつけるところはありませんが、2スイッチで汎用性が高いRC Booster V2が中古でもゴロゴロ出ていることを考えると、わざわざRC CLを狙う必要性は薄いかもしれません。個人的には、この見た目が格好良いので気に入っています。
